【毎年10月は】かえるがかんがえる社会的養護まとめ【里親月間!】
こんにちは!こんばんは。見る人によってはおはようございます!
かえるです。
10月に入り、この週はじめからは肌寒い陽気となっています。
ぼくは鼻風邪ひいちゃって、じゅるじゅる三昧です。
みなさんはあたたかくして、お気をつけくださいねw
さて!10月といえば、そう!!そうです。里親月間ですよね!!w
厚生労働省が毎年10月を「里親月間」と位置づけて
里親制度やファミリーホームなどの家庭的養護を推進するための
集中的な広報活動や啓発活動を実施しているんです!
里親制度とは、さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもたちを
自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度です。
(画像:日本財団子どもたちに家庭をプロジェクト | 日本財団より)
厚生労働省の資料では、
『各国の要保護児童に占める里親委託児童の割合(2010年前後の状況)』として、
オーストラリアでは93.5%、アメリカで77.0%、イギリスで71.7%、
ドイツ、フランス、イタリアでは49~55%と50%前後の里親委託率と発表されています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/syakaiteki_yougo/dl/yougo_genjou_02.pdf
制度が異なるため単純な比較はできない、としながら
同じ資料内での日本の里親等への委託率は12%に留まっています。
2013年度末には14.8%、2019年度末で21.5%と上昇傾向にはありますが、
他国と比べると、いまだ低位に留まっている印象です。
日本における里親等委託率には自治体間で大きな差があり、
新潟市のように過去10年間で22.2%から60.4%と、大幅に増加した自治体もあります。
里親等委託率が低いことが何が問題なのか。
かえるが勝手に社会的養護と呼ばれる施設を大きく3つに分けてご紹介
しながら説明していければと思います!
ぼくは、以下で挙げる複数の施設での勤務経験があります。
人に語れるほど経験は深くはないですが、踏まえてお話できればと思います。
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①乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設
乳児院では、乳児と名が付くように0~2歳児の入所する場所です。
児童養護施設は幼児から18歳までの児童が入所しています。
児童心理治療施設は小中学生、施設によっては高校生の受け入れもあります。
保護者の経済的困窮、事件による逮捕、虐待やネグレクト、死別…
児童の特性による養育困難、児童の不適切行動による一時保護など
入所理由は様々ですが、共通するのは
保護者との生活が事情により難しくなり、出来なくなったことです。
中でも児童心理治療施設は
発達障害や愛着障害、虐待によるPTSDを抱えて入所する児童が多く、
人との関わり方やアンガーマネジメントなどを含むソーシャルスキルトレーニング、
心理的なケアを必要とする児童へのカウンセリングやセラピーなどを行う場所として、
養育というよりも、療育としての側面を多く含んでいます。
これらの施設は敷地も広く、家庭に比べて物的な資源が豊富にあるように思います。
広いグラウンドやゲーム機、ボードゲーム、漫画などに加え、
おやつや食品、ドリンクなどの寄付、有志によるボランティアや慰問など
たくさんの経験・体験を重ねることができる場所であると感じます。
施設は子どもたちのおうち代わりなので、
職員は早番、日勤や夜勤、宿直など、24時間を交代しながら勤務します。
そのため、生活リズムが安定せずに体調を崩してしまう職員も少なくありません。
子どもにとって身近な養育者が短いサイクルで変わってしまうことがあるので
深い関係性を築く経験ができなかったり、心から甘えられずどこか気を遣ってしまったりと
もちろん職員としては精一杯に子どもたちを想い、接していますが、
心の豊かさはフルまで満たせてあげられないこともあるのかな…とも感じます。
②ファミリーホーム
施設に比べ小さく、里親に比べ少し大きいファミリーホーム。
ファミリーホーム1軒で、最大6人までの養育ができます。
委託児童の養育にふさわしい家庭的環境が確保される場合は
例外として扱われることもありますが、
概ね、生活の本拠をファミリーホームに置く2人の養育者に加えて
1人以上の補助者を置かなければならない、とされています。
また、この2人の養育者は一の家族を構成しているものとする、ともされており、
ファミリーホームの設置には、養育者の経験や環境などに制約があります。
そういった条件下だからこそ、経験豊富な養育者を求めて
児童のファミリーホームへの措置を希望する保護者の方も多いとか。
また、ファミリーホームは社会的養護の中でも
家庭的養護にカテゴライズされており、
里親等委託の、“等”の部分に含まれています。
家庭に近い環境の中で、養育者との安定した関係性や暮らしは
子どもたちの精神的な安定にも繋がるのではないかと考えます。
③里親
冒頭でおはなしした里親。
里親月間である10月に限らず、啓発活動などもなされていますね!
里親になるにあたっては、資格は必要ありませんが研修を受ける必要があります。
この研修を受けることが、養育里親になる要件となります。
子どもたちは、安全地帯があることによって、
安心して様々なことにチャレンジしていけるようになります。
知らない人に会った時に、小さな子どもが
お母さんの足元に隠れてチラッと覗き込む…というような描写もありますよね。
守られる場所があるからこそ、未知の境遇にも立ち会うことができるんです。
虐待やネグレクトを受けていた子どもたちは
そういった安全地帯の中で過ごす経験はないですし、
荒んでいる家庭環境が、その子にとっての“当たり前”になります。
暴力や暴言などを使う関わり方しか知らない子どもたちも多くいます。
里親さんの下で子どもたちが養育されることは、
家庭同様の環境で子どもたちが過ごすこととなるため、
近しい養育者との愛着関係や、適切な家庭観の形成が期待されます。
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いかがでしたか?
以上が社会的養護と呼ばれる施設たちでした。
児童養護施設などの施設においては、
もちろん気持ちのある職員たちが熱心に子どもたちと向き合って勤務しています。
しかし、子どもたちにとっては集団生活となり、家庭観を養いにくい環境にあります。
将来、家庭をもつにあたって困難にぶつかることも想像に容易いのが実情です。
新しい社会的養育ビジョンが打ち出され、
施設が管理・運営をする分園型施設や地域小規模型施設など、
家庭の形に準じた養育環境を整えている状況でもあります。
参考:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000173888.pdf
福祉の力をもって、等しく教育を受ける機会を設けられることは
いま、大切にされているSDGsにも関わる問題でもありますね!
興味のある方はぜひ、里親について調べてみてくださいね!